保育士試験の実技試験の3分野「音楽」「造形」「言語」。
その中でも、お話しをする「言語」を選択する方は多いのではないでしょうか。
私が2018年に受験した時も、「言語」選択者がたくさんいて、待ち時間が一番長かったのが印象的でした。
今回は「言語」の対策とポイントを、私の体験談を交えて紹介していきます。
これから受験する方の参考になれば嬉しいです。
目次
【保育士試験】「言語」について
「言語」の試験では、保育士として必要な基本的な声の出し方、表現上の技術、幼児に対する話し方ができるか、というところをみられます。
という概要になっています。
お話をする上で注意しなければならない点がいくつかありますので確認しておきましょう。
*お話を始める前に、必ず「題名」を言う
*絵本や人形、台本は一切使用禁止
*3分間は退出できない
絵本をそのまま読むことだったらそう難しくはありませんが、この試験では、自分で台本を作って、それを覚えて話さなくてはなりません。
子どもの興味を引きつけるような、多少の演技力も必要です。
自分一人で3分間話し続けるのは、とても緊張します。
たくさん練習を重ねて、コツを掴めるように準備していきましょう。
お話を選ぶ
まずは4つのお話を実際に読んでみて、自分が好きなものや、話しやすいと感じる題材を選びましょう。
私が受験した時は「おむすびころりん」を選択しました。
理由は、話の内容を知っていたからと、「おむすびころりんすっとんとん」というかわいい響きの言葉が入っており、子どもに話しやすいと感じたからです。
このように、印象的なセリフやシーンがあれば、話をまとめる上でのいいポイントになりますね。
3分間の台本を作る
お話しする題材が決まったら、いよいよ台本作りです。
同じ物語でも、絵本や出版物によって微妙にお話の内容が違うものもありますが、一般的なあらすじをもとに自分だけの台本を完成させましょう。
大切なのは「3歳の子どもでも分かりやすく、お話に引き込めるような表現が盛り込まれているか」です。
3歳の子どもにとって難しい言葉や表現がないように、分かりやすく想像しやすい台本に変換していきましょう。
ニコニコやキラキラなどの擬音語や擬態語を使うとより楽しいお話になります。
そしてそれを3分間でお話の内容がきちんとわかるようにまとめましょう。
台本がある程度できたら、実際に声に出して読んでみます。
子どもたちに読むので、普段よりもゆっくり丁寧に読む事を意識します。
こうして台本の微調整をしながら3分で収まるか確認します。
私が台本を作った時は、最初は「むかしむかしあるところに…」から始め、最後は「おしまい」で終わりにしました。
最初と最後をどうするかも、話のまとまりを作るポイントになりますね。
台本を覚えて練習する
お話は完全に暗記しなければなりません。
絵本や台本は持ち込めないので、何回も読んで頭に叩き込みます。
お話し中の目線は、15人の子どもたちを見渡すように、そして語りかけるようにゆっくり話します。
お話しは立ってても座ってもどちらでも良いことになっています。
物語の大切な場面では、声や動きに抑揚をつけたり、話し方に緩急をつけて子どもたちの興味を引き付けましょう。
ジェスチャーなどの体の動きを付ける事については以前は指定がありませんでした(むしろNGという意見が多数でした)が、近年の試験では「身振り、手振りを加える」事が記されていますので、適度な範囲で表情や動きを付けてみましょう。
あまり動きが激しいと、子どもたちはお話よりもそっちに意識が行ってしまうので、あくまでもお話の内容の邪魔にならないよう、自然な動きにすることが大切です。
ジェスチャーよりも、話し方で見せましょう。
お話は、練習すればするほど上手になります。
スマホで自分のお話を撮影して、はっきり喋れているか、身振り手振りは自然か、客観的に見てチェックしてみてください。
試験当日に気を付けたいポイント
題名を忘れない
試験会場では、試験官がストップウォッチを持っていて3分を測ります。
自分で時間を見ることはできません。
開始合図が鳴ったら、まず初めに子どもに向けて題名を言う決まりになっています。
緊張して忘れてしまい、いきなりお話を始めてしまった…ということにならないように注意しましょう。
視線に気を付けよう
会場には、子どもに見立てた数個の椅子が並べられており、それに向かって話します。
15人の子どもたちがいると思って、広い範囲に目線を配れるといいと思います。
笑顔で話そう
子どもたちにお話をするのですから、やっぱり基本は笑顔ですね。
所々表情の変化を付けつつも、柔らかい表情で話せた方が、試験官にも好印象でしょう。
時間を気にしすぎない
本番はどうしても早口になりがちです。
緊張しても練習通りの早さがキープできるように、たくさん練習しておきましょう。
ちなみに私の時は5秒余ってしまいました…
この5秒がとても長く感じたのを覚えています。
もし3分よりも早く話し終わってしまい、終わりの合図が鳴らなくても、笑顔のまま、落ち着いて待ちましょう。
3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をする事を想定し、以下から一つを選択し、子どもが集中して聴けるようなお話を行う。
例:令和2年前期の課題
1、ももたろう(日本の昔話)
2、3びきのこぶた(イギリスの昔話)
3、おおきなかぶ(ロシアの昔話)
4、3びきのやぎのがらがらどん(ノルウェーの昔話)
●目の前に15人程度の子どもがいる想定で話す
●お話は3分にまとめる
●身振り、手振りを加える